「英語力の鍛え方」番外編4
レストランで驚きの体験

日本国内で英会話を実践する機会がない人にとって、腕試しの場といえば、海外旅行でしょう。特に飲食店では、注文するというプロセスが不可欠です。

アメリカのレストランで、父が少々うんざりした様子で言ったことがあります。「黙って座ったらうまいもん持ってきてくれるっていうのがサービスと違うのか。」

日本では、確かにそうです。しかしアメリカでは、客はすべての要望を口にし、それをかなえるのがサービスの基本。ステーキの焼き加減、サラダのドレッシングの種類、飲み物を出すタイミングなど、一回の食事にも数々の選択を迫られます。

サンドイッチ専門店にうっかり入ろうものなら大変。「パンの種類とサイズは?野菜は?チーズの種類は?ハムはどれ?」と矢継ぎ早に聞いてきて、慣れないうちは緊張を強いられます。客として堂々と迷えるようになったら、かなり成長したといえます。

 アメリカでは、ウェイトレスやウェイターは収入のほとんどをチップに頼っています。有名スターの経歴に「時給 2 ドルの下積み生活」とあると日本人は驚いてしまいますが、雇用側が払う金額としては、それが標準的な金額。よって彼らは少しでも多く客の役に立ちたいと、食事の最中にもしょっちゅう声をかけてきますし、客もよく話しかけます。

 私が日本料理店で働いていたときのことです。カップルで食事に来ていた女性に呼び止められ「残ったスシを私が食べようとしたら、欲しいなら一皿注文すればいいって彼が怒るのよ。」と言われました。テーブルには、彼が注文したものが少し残っています。

 “ Why not? I would do that. (いいじゃないですか。私でもそうしますよ)”と笑って答えると、彼氏が“ You would!? (君も!?)”とすごい顔。彼女は勝ち誇った顔で歩き出すと、よその客の食べ残しをポイと口に入れたのです!まさか、そんなこととは…。あのときの彼の顔は忘れられません。当然ながら、期待を裏切った私に彼が残していったチップは、飲食代の 10 〜 15% といわれる標準額を下回るものでした。衝撃的な思い出です。

 お酒は落ち込んだ気分を慰め、楽しい食事を盛り上げてくれますが、海外では飲酒年齢に気をつけましょう。アメリカは基本的に 21 歳、イギリスやドイツのように、ビールは 16 歳から飲めても蒸留酒は 18 歳からというように度数によって違う場合もあります。ちなみにイギリスでは、保護者の同意があれば家庭での飲酒が 5 歳から認められているそうです。

アメリカでは、アルコールを注文もしくは購入する際には、年齢が分かる ID の提示を求められます。見せないと、どんなに見た目が飲酒年齢を超えていても断られてしまいます。

 観光地では、英語の苦手な観光客相手に勘定を意図的に間違える店員が出没することがあるので注意します。それも彼らの生き抜く知恵なのでしょう。実際にグアムの一流ホテルのバーで、私が買うビールは 2 ドルで、他の日本人は 4 ドルだったことがあります。社員旅行だったのですぐに判明し、その場で勘定を正してもらいました。

 言葉がおぼつかなくても、他の客と同等のサービスを受ける権利は当然あります。私自身、慣れないうちは自信がなくておどおどしたこともありましたが、今思えば言葉が苦手でも堂々と振舞う人はいて、そんな人は嫌な目に合うことが少ないようです。私たち外国人は、言葉以前に、性格を見抜かれます。いつもさわやかに堂々としていたいものです。